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新入学生、新社会人に贈りたい王貞治という究め人の言葉

春季キャンプで工藤監督と笑顔で話すソフトバンクの王球団会長
Photo By スポニチ

 【君島圭介のスポーツと人間】久しぶりに漫画にハマった。原泰久が描く『キングダム』。中国の春秋戦国時代を舞台に「俺は天下の大将軍になる」と野望に突き進む若者・信(しん)が大暴れする。戦場で残忍に切り刻まれる名もなき雑兵たちに哀れは感じるが、信念を貫く主人公の成長過程は痛快だ。

 聞けばプロ野球選手にも愛読者が多いという。剣のみでのし上がる姿に共感するのだろう。自由奔放な主人公ではあるが王騎(おうき)ら武の道を究めた先人たちの教えなくしては成長もなかった。先人を否定して、これを超えるのは難しい。

 バット1本で野球界の「天下の大将軍」に成り上がった人物といえば本塁打の世界記録保持者、王貞治である。現在の東京都の墨田区で生まれ育った。若い頃は信のように「下町のヤンチャ者」だったと聞く。当然だが、今はその面影はない。人はある日突然変わるものではない。歩む道によって究められていく。

 第1回WBCでは日本代表を率いて世界一に輝き、文字通り「天下」を獲った。今、王は育成選手も含め90人を超えるソフトバンク球団を会長として束ねる。その言葉や思想は真理だ。いかに考え、行動すればそこに到達できるのか。野球道を究めた王の言動には奇をてらったものもなければ実行不可能なものもない。そのほんの一部を紹介したい。

 (1)迷ったら進め、ただし責任は持て。「(監督時代に)投手を代えようか迷ったとき、俺は代えることにしていた。代えないで後悔するよりいいからね。どっちに転がっても責任を取るのは自分なんだから」。人生の岐路、選択に迫られたときは動いて後悔した方がいい。ただ、自分が責任を持てる範囲を知った上で判断すべき。

 (2)お金が目的では続かない。「現役の頃、俺は一度も契約(更改)でゴネたことがない。お金のために野球をやっているという意識はなかったからね。だから22年も現役が出来たんだと思う」。報酬ばかりに目を向けるより、その道を歩んでいる喜びを尊重すべき。

 (3)1500筆。「年賀状には必ず一筆添えるよ。今は表も裏も印刷じゃない?もらった相手も何もないより一筆添えてある方がいいでしょう」。ちなみに王が毎年書く年賀状は1500枚近いという。たかが一筆だが、そのすべてから心が届く。電子メールの一斉送信やSNSで済ませるのは効率的だが、心は届いているだろうか。

 いつの時代も若者は大志を抱く。だから『キングダム』が支持されるのだろう。この3つの「格言」は、ソフトバンクの宮崎キャンプ中にスポニチ野球評論家の田淵幸一と王が立ち話する場に居合わせた際に聞いた言葉だ。雑談の内容を文字にするのは失礼だが、多くの若者が新入学、新入社を控えるこの時期だからこそ書きたかった。信のような若者にこそ伝えたい「王道」の歩み方だからだ。(敬称略、専門委員)

 ◆君島 圭介(きみしま・けいすけ)1968年6月29日、福島県生まれ。東京五輪男子マラソン銅メダリストの円谷幸吉は高校の大先輩。学生時代からスポーツ紙で原稿運びのアルバイトを始め、スポーツ報道との関わりは四半世紀を超える。現在はプロ野球遊軍記者。サッカー、ボクシング、マリンスポーツなど広い取材経験が宝。

[ 2017年3月7日 09:35 ]

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