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野球留学生たちへ――歳内宏明のような地元に愛される選手であれ

阪神の歳内
Photo By スポニチ

 【君島圭介のスポーツと人間】福島県浪江町出身の知人が言った。「福島県民のTOKIO愛って凄いですよね」。彼らは県産品のCMにも出演する(グループ名はTOKIOだけど!)。テレビ番組で浪江町の山間部で村づくりする企画が人気となったのが縁だ。

 TOKIOが福島県民にとって特別な存在になったのは、やはり東日本大震災の体験がある。震災直後、浪江町の人々の避難先で無事を確認して回るメンバーの姿が放送された。一番組の枠を超えた絆は見る側の感情の奥深くまで染み渡った。

 阪神の歳内は日本野球機構(NPB)による福島県の復興支援イベント「ベースボールフェスタin福島」に4年連続の皆勤賞だ。兵庫出身だが福島・聖光学院で2度甲子園に出場した。12球団のスター選手が参加するイベントでも毎年一番大きな拍手を浴びる。

 希望して参加するのかと聞くと否定し、「福島で野球をやらせてもらったから呼んでもらえる。ありがたい」と真顔で答えた。71年夏の磐城の準優勝が福島県勢の甲子園最高位成績。県南、県北、いわき、会津と地域色濃い土地柄。高校野球は県外どころか地区外の選手を集めても批判される。

 聖光学院も当初は冷めた目で見られたが、08年夏の県勢33年ぶりベスト8進出で風向きが変わった。そして2年生の歳内をエースに擁した10年夏には広陵(広島)、履正社(大阪)と全国区の強豪を撃破。福島県民に甲子園で勝つ喜びを思い出させてくれた。

 歳内が聖光学院に入学して最初に取り組んだのが「福島弁」だという。親元を離れた15歳の少年は野球以外でも地域に溶け込もうと努力した。そして大地震、それに伴う東京電力の原発事故が起こった11年の夏、歳内は再び甲子園に出場した。福島県民がTOKIOを愛する感情と歳内に向けるそれは似ている。

 今年のセンバツは大阪桐蔭の5年ぶり2度目の優勝で幕を下ろしたが、個人的に最も印象深いチームは「機動破壊」を掲げる健大高崎(群馬)だった。選手名簿を見ると大阪出身の選手がいた。健大高崎を選んだ理由を尋ねると「中学時代は打ち勝つ野球だった。高校では足を使った野球をやってみたかった」という。その主体性を持った選択に感心させられた。

 未来ある高校生に選択肢は多いほどいい。テニスの錦織圭は中学生から米国に留学し、世界と戦う礎を築いた。地方の強豪校が「○○選抜」とか「オール○○」と揶揄(やゆ)されることは多い。錦織の挑戦は美談で、全国各地へ野球留学する高校生が批判されるのは理不尽だ。子供たちは夢を抱いてその学校の門をくぐる。堂々と胸を張っていい。出来ればその土地の水になじみ、歳内のように愛される選手になってほしい。(専門委員)

 ◆君島 圭介(きみしま・けいすけ)1968年6月29日、福島県生まれ。東京五輪男子マラソン銅メダリストの円谷幸吉は高校の大先輩。学生時代からスポーツ紙で原稿運びのアルバイトを始め、スポーツ報道との関わりは四半世紀を超える。現在はプロ野球遊軍記者。サッカー、ボクシング、マリンスポーツなど広い取材経験が宝。

[ 2017年4月5日 09:00 ]

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