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【コラム】山内雄司

門戸は開かれている 当落選の基準は不明確

23日のUAE戦で代表初ゴールを決めた久保
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 タイ戦はフラストレーションの溜まる内容だった。8分に香川、19分に岡崎と、ゴールから遠ざかっていたふたりが決めた。多くの人がこれでますます活気づく。ゴールラッシュもあり得ると思ったのではないだろうか。しかしここから、タイに主導権を明け渡す。

 急増ボランチコンビの問題なのか。それは否定はしきれない。酒井高はなんとかこなそうとするばかりで、前線を生かす手立てを講じるレベルまでは行かず。預けていい場面で横パスや後ろを選択するのは、やはり守備の意識が強かったか。山口もこれに付き合うようにポジショニングに苦慮していたように映った。ならば酒井宏や長友がフォローしていたかと言えば、これもまた有効に引き出すことはできず。プレスも連動せず、諦めないタイにがっつりとチャンスを作られていた。

 敵地でUAEに勝利したこともあったろう。難しい試合をモノにしてホームで迎えるのはグループ最下位のチーム。決して油断していたわけではなかろうが、ノッていくところで停滞するのは、多分に安堵があったのではないか。ハリルホジッチ監督も「少し気が抜けたのかハードワークが足りなかった」と暗にこれを認めている。ただ、ハードワークが足りないというより、いかにしてワークするか選手がピッチで考慮できなかったことに不満が残る。ボランチが急増コンビなのは選手も当然ながら理解していたわけで、では彼らをどう働かせるために自分がどう働くか。これが整理されていなかった。酒井高や山口の出来が悪かったとしても、構成力の責任の多くを背負わせるのは酷である。1本のシュートも打てなかった原口が思案顔で首をかしげるのも、彼の特性を引き出せなかったチームに問題がある。逆説的な言い方になるが、前半終了間際のタイの猛攻が決まっていたら、選手は意識を変化させる必要に迫られたかもしれない。漫然と試合をし、漫然と攻められ、しかしながら大勝した。総括するとそんな試合だった。

 長谷部の存在が大きいのは分かり切っていることで、彼を欠いたから指揮官はG大阪での活躍を見て今野に白羽の矢を立てた。その今野がチームを離れ、さてどうしたものかと酒井高に白羽の矢を立てたのは、ハンブルガーSVで4割程度同ポジションで出場しているという条件に合致したからこそ。追加招集した遠藤は浦和ではCBを務めており、いきなり据えるのはこれもまた問題であったろう。

 ハリルホジッチ監督は長谷部に頼ったチーム作りを推進してきた。今野、酒井高と今になって代役探しに苦心するのは、その表れである。ただし、だからといって予選最大のタスクである「勝つ」ことを成し遂げた指揮官を必要以上に糾弾するのは筋が通らない。ならばここは敢えてネガティブにならず、むしろ“代役探し”をポジティブに捉えて、選手たちの所属クラブでの奮闘に期待したい。

 今野が、酒井高が務めた。ならば俺たちだって十分にチャンスはある。柏木、永木、大島らはさらに意欲を見せるだろうし、ベテラン、若手の枠を取り払って試合で活躍すれば選ばれるという今回の“代役探し”は、穿った見方をすればモチベーションアップにつながるかもしれない。

 では、川島や本田の起用はどう説明するんだ、と反論されそうだが、指揮官の頭の中が「やはり試合に出ている選手を使いたい」「試合に出ていない選手は、急増以上に賭けかもしれない」との方向に傾いていけば、どのポジションでもチャンスは出てくる。代役探しから結果オーライとなったこの2戦は、ハリルホジッチ監督の言葉を借りれば「門戸は開かれている」の証明ともなった。いつまでも結果オーライじゃ、という思いはあるが、当落線がいまだあやふやなままなればこそ、台頭する選手を楽しみにJや各国リーグを観戦したい。(山内雄二=スポーツライター)

[ 2017年3月31日 05:50 ]

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