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マスターズの記憶と思い出 レガシーという言葉に恥じない適材適所を

東京五輪のゴルフ会場となる予定の霞ケ関CC
Photo By スポニチ

 【高柳昌弥のスポーツ・イン・USA】男子ゴルフのマスターズ・トーナメントは4月6日から9日まで米ジョージア州オーガスタのオーガスタ・ナショナルGCで行われる。その昔、ゴルフ担当だった私が取材したのは1988年。サンディー・ライルがスコットランド勢としては初めての優勝を飾った年だった。

 取材歴はたった1回。レンタカーがパンクしたり、予約したはずのホテルを一度追い出されたりするなどハプニングが続いたが、思い出深い1週間だった。なにしろ29年前の出来事なのに、まだ私は全18ホールのレイアウトを頭に描くことができる。もちろんさんざんテレビで見ていたこともあるだろうが、画面には映らないグリーンのうねりや、木の種類、固定電話の場所、駐車場の広さ、プレスルームの室内の様子などをしっかり覚えている。意識はしていなかったが、それだけこの大会が持つインパクトが他よりも強いということなのだろう。

 2012年から一部の観戦チケットが抽選で手にできるようになったそうだが、当時は“パトロン”と呼ばれる限られた人たちとその関係者しか観戦はできなかった。アフリカ系のメンバーはオーガスタ・ナショナルGCにはいなかったし、かなり閉鎖的な社会でもあった。それでいてトーナメントの格が違うのは、コース・メンテナンスとホスピタリティーの質、そして選手たちの熱意と気迫が充満しているからにほかならない。

 当時、最も印象的だった人はスコットランドからやって来ていたベテランのカメラマン。彼は大会期間中、ずっと民族衣装の「キルト」を身につけていた。そしてライルの優勝を見届けると私の近くでこうつぶやいた。

 「長い間この仕事をやっているが、まさか母国の選手がここで優勝するとは思わなかった。なんて素晴らしい1日なんだ。もう死んでもいいよ」。「おいおい死ぬのは早いぞ」という突っ込みはもちろんあったが、涙を拭く彼の姿を見て周囲ではもらい泣き。ゴルフの取材で涙腺が緩んだのは後にも先にもこれ一度きりだった。

 こんな大会であってほしいと思う。なんのことかと言えば東京五輪のゴルフ競技のことだ。残念ながらまだどこで競技を行うのかさえ正式には定まっていない。招致段階での不備があったことは否めないが、多くの人間の利害が見え隠れしている。マスターズのように全員が一丸となって突き進むような雰囲気もあまり感じられない。果たしてここから「レガシー(遺産)」が生まれるのか?どうも先行きが怪しくなってきた。

 LEGACYはフランス語のLEGACIEが英語化した言葉。その語源はラテン語のLEGATUSとされており、元々の意味は「代表者」「使者」「参謀」だ。そしてさらに元をたどっていくとLEGOという動詞にたどりつく。意味は「任命する」「選ぶ」「集める」。さてこのもつれた糸を元に戻すには、誰に任せ、どんな人材を集めるかにかかっている。宙に浮いたままの東京五輪ゴルフ競技会場。残された時間はそれほど多くはないと思うのだが…。(専門委員)

 ◆高柳 昌弥(たかやなぎ・まさや)1958年、佐賀県嬉野町生まれ。上智大卒。ゴルフ、プロ野球、五輪、NFL、NBAなどを担当。スーパーボウルや、マイケル・ジョーダン全盛時のNBAファイナルなどを取材。50歳以上のシニア・バスケの全国大会に6年連続で出場。

[ 2017年3月3日 09:41 ]

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